最高裁が慰謝料命令の判決

最高裁は1989年12月、ビラを配布した人物に対して、慰謝料支払い命令する判決を下した。

長崎県教組に所属する小学校教諭50人が勝訴

1981年(昭和56年)2月、長崎市の小学校で通知表の成績評価方法をめぐって、校長会と一部教職員が対立した。

その際、長崎市内に配られたビラに、「有害無能な教職員の一覧表」として、教師たちの住所や電話番号を載せられた。

長崎県教組に所属する小学校教諭50人である。

教師たちは「名誉を傷つけられた」として、裁判に訴えた。

ビラの配布人を相手取り、1人あたり10万円の慰謝料と謝罪広告掲載を求めた。

その訴訟の上告審判決が、1989年12月21日、最高裁第1小法廷で開かれた。

地元紙への謝罪広告掲載を命じた1、2審判決を破棄した。

佐藤哲郎裁判長は、1人5万円の慰謝料支払いと地元紙への謝罪広告掲載を命じた1、2審判決を破棄した。

裁判長は「名誉侵害の違法性はない」

裁判長「ビラの内容は、通知表交付をめぐる混乱についての意見表明であり、名誉侵害の違法性はない。しかし、住所や電話番号の記載は私生活の平穏などを侵すもので、配布人は不法行為の責任を負う」とした。

住所、電話番号公表による被害

教師側が主張した損害のうち住所、電話番号公表による分だけを認めた。

改めて、ビラ配布人に対して、慰謝料2万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

訴えていたのは、当時長崎市内の小学校7校に勤めていた教師たち(うち2人はすでに死亡)。